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従来型の「建設業」では、建物をつくるための図面が主体でした。どれだけ図面に沿って正確に建物ができあがっているかどうか、その点が重要だったのが「建設業」です。
しかし私が考える新しい「建築業」では、建物を使う人が主体です。
まず人ありき。
できあがった建物に、使う人の意向がどれだけ反映されているのか、その人の人生にどれだけコミットしていけるものなのか。その点が重要なのです。
たとえば、器というものを建築するとします。
その器に入れる中身が、珈琲なのか、紅茶なのか、抹茶なのか。そこに何を入れるかによって器のかたちは異なってきます。器と中身の関係、それうまくマッチングさせることが「建築業」なのです。
住宅では、中に住まう人がどういう人間なのか、どういう生活をするのか、どういう人なのか、どういう好みなのか。その好みの差はなぜできたのか、その差違を考えて、住宅という器の建築を考える。
住まう人が”どう生きるのか”を具現化できるのが「建築業」です。
だから住まう人が、自分というものを見つめ直し、自分の好みがわかっていないと、客観的な判断ができない。そこを引き出すお手伝いをしながら、一緒に考えて築き上げていく。それが私の考える「建築業」という仕事です。 |
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